皆さんは歯医者とか医療機関に行って「患者様」と呼ばれると気持ちいいですか?僕が患者の立場だったらなんか気持ち悪い。「長谷川様、今日はどちらの歯がお痛みですか?」うぇ、きもちわるい…
『医療はサービス業で、患者はお客様』 だから、患者『様』。
こういった風潮が最近は蔓延している。なんでだろう…?
医療ミスや歯科医師連盟の不祥事やスキャンダルなど… マスコミに叩かれ医療サイドの尊厳は今はみじんもない。
かたや、患者さんたちはマスコミやインターネットなどの情報に翻弄され、医療への信頼感を失っている。
そんな状況の中、どうしたら患者さんに気に入ってもらえるか、そこで出てきたのが『医療はサービス業で、患者はお客様』という考えなのだろう。
でも、本質から外れたところで形だけ持ち上げられて、気持ちいいですか?いつだったか静岡新聞のコラムに同じようなことを書いていたのを見たとこがある。「患者様、と呼ぶ病院では本心ではそんなことはこれっぽっちも思っていない。」すべてがそうだとは言わないが、同感だ。
表面だけ迎合しても実がなければやがて化けの皮がはがれるだけだ。
「患者さん」、「歯医者さん」でいいんじゃないの?
医療をするもの、受けるものの違いはあるが、対等なのだから。
専門知識があり、医療行為を主体に行う医師、歯科医師に主導権があるように誤解されるが、その医療行為を受けるかどうか最終的に決定するのは患者さんであり、いやなら断る権利を持っているのだ。そして納得のできる医療を選ぶ権利も。
僕らは患者さんの健康を真剣に考え、そのためにできる医療をただただ誠実に行う。その中で自然と医療の尊厳が生まれるのだ。
医者は患者を治したい、患者は医者に治してもらいたい、その目的が合致しているのだから、どちらかが変にへりくだる必要性はどこにもない!
誰かが最近、「患者さんが集まる歯科医院の待合室チェックシート」というプリントを持ってきた。こうすれば患者さんが増えるから、勉強しなさい(真似をしなさい)、ということだろう。40項目近く書いてあるが、三分の一くらいは?だった。「うちはこんなにも清潔感ありますよ〜」、「うちはこんなにも高級感ありますよ〜」、「うちにくるとこぉんな特典がありますよ〜」、「うちはこんなにも患者様に気を使っているんですよ〜」、「大サービス!」てな内容だった。これを全部実行したら、そうだな、高級エステってところか。
やりたい奴はやればいい、そういう病院が好きな「患者様」は行けばいい。というのが正直な感想だ。
病院がそんな風に「上手に化ける、化かす」ことばかり考えるようになった。悪い言い方をすると、患者に媚びるようなことを…。ハァ…
もっとも、本当に患者さんのことを大切に考え、その気持ちが自然と「患者様」という言葉としてでてきた、そんな病院もあるはずです。
心がこもった言葉であれば、「〜様」って呼ばれても気持ち悪くないだろうな。
そういうところには僕も通ってみたい。
でも、「〜様」って呼ばれて違和感を感じるところは避けた方が良い。
2007年11月19日月曜日
迎合