『政府・与党は12日、08年度の診療報酬改定率について、医師の技術料など「本体部分」を00年度改定以来8年ぶりに引き上げる方向で調整に入った。』
こんな記事がニュースサイトにあった。
当たり前の話だが、お医者さんもわれわれ歯医者も医療行為を行って、それにより報酬を得ている。それで生計を立てている。治療はしたけど、「お金はいいよ」なんていう赤ひげ先生やかすみを食べている仙人のような医者・歯医者はいない。あたりまえだけど、生活がかかっているもの。
僕らにも生活はあるし、従業員にもお給料は出すし、材料費や設備費もばかにならない。ボーナスも退職金も厚生年金もない。ギリギリでやってる、というのが実情です。
我が国の医療保険制度では、保険医は国が決める診療報酬にしたがって、患者さんや保険者に報酬を請求する。たとえば、歯科では再診料は38点で380円。これを窓口で患者さんから110円、保険者から270円をもらう仕組み。この、「38点」のように、診療行為一つ一つに点数がついている。この点数を2年に一度見直し、改定するのだ。
ここで、最初に記事の文章をもう一度見ていただきたい。医療費は、ここ8年間あがってないのです。もっというと、マイナスだったのです。
今回はプラスとは言っても0.1%台、薬価・材料費を含んだ全体の医療費はまたマイナスだそうです。
「医者や歯医者はもともと高給取りなんだから10年くらい給料据え置きでもいいじゃん」なんて思ってないですか?それは大きな間違いですよ。
現実に、重労働なのにそれに見合う保険点数がついていない(報酬がない)ことによって、医師が不足してきていますよね。歯科医師だって歯科材料や人件費は年々上がるのに診療報酬はマイナス改定が続いて、経営が成り立たなくなってつぶれるところも多くあります。とくに、患者さんのためにいい治療をしよう、と頑張っているまじめなお医者さん・歯医者さんが犠牲になっています。そんなお医者さん・歯医者さんがいなくなっていったらどうなりますか?みなさんはもう安心して保険で良い治療・納得できる治療は受けられなくなります。(もうなりつつあります。)
結局、国の無策のせいで犠牲になるのは国民です。
高齢化社会になって医療費が増えることなんてずうっと昔からわかってたはずなのに今になって医療費削減だなんて言ってることの方がおかしい!
と思いませんか?
残念ながら、この国の医療制度はもう崩壊しつつあります。
年金も同じ。
軽く見られてるなぁ… 国民の健康と命。
2007年12月12日水曜日
診療報酬 命の重さ