HPの予約表の更新は実は僕がやっているのですが…
もう平成23年のカレンダーが顔をのぞき始めました。
いやはや年月の経つはやさに驚きます。
さて、診療方針の改定に関連して、ちょっと。
ムシ歯も歯周病も自然治癒するって知ってました?治るんですよ?!
意外でしょ?といってもかなり限定的な状況において、ですけどね。
すごく簡単に説明すると、
口腔内のpHが酸性に傾けば歯牙の表面は脱灰し、いわゆる初期ムシ歯の状態になります。しかし時間の経過とともにpHが元に戻り、それとともに歯牙の表面では再石灰化が起こります。これが、『虫歯が治る』状態です。この現象は毎日毎日誰の口腔内でも起きています。再石灰化のスピードを脱灰のスピードが上回る原因や状況下に置かれると、再石灰化が間に合わずムシ歯に移行します。つまり、自然治癒できなくなってしまいます。
そこからは、『治る』のではなく、『直す』になってしまいます。
歯周組織においても、歯周ポケット周辺に付着・堆積したプラークや歯石を排除しようとして歯肉に炎症性細胞が集まり、歯肉炎が起こります。これも早期に病原性のある菌を炎症性細胞が倒したり、プラークや歯石を取り去ってあげることですみやかに炎症状態は解消され、治ります。炎症状態が治癒に向かうスピードを組織の破壊へのスピードが上回ると歯周病が進行していき、やはり自然治癒できなくなってしまいます。破壊が進み深くなったポケットの中には容易にプラークが入り込み、またそこを生活環境とする菌が住み着きます。歯周病患者さんのポケット内から歯周病性細菌が見つかるのは原因ではなく結果なのです。
本来ならば治っていたはずの人が治らなくなってしまう要因は、一つは無知。もう一つは病因を増悪させる環境です。
このへんのことがわかってくると、どのように手を打てば良いかが分かってきますよね。
2010年11月28日日曜日
自然治癒